― 香りは心と身体にどう効くのか？（2025年レビュー論文解説）―

アロマセラピーの効果には「リラックス」だけでなく、脳・自律神経・免疫・炎症・睡眠・痛みなど多領域が関わっています。
2025年に発表された最新レビュー論文では、精油が科学的にどのように身体へ働くのかが示されました。
本記事では、その内容をMedessence視点で分かりやすく解説します。

1. アロマセラピーの効果が生まれる仕組み：香りの吸収経路

香り分子は吸入・経皮吸収・経口の3つのルートで体内に取り込まれます。

● 吸入：脳へ最も早く作用する経路

- 嗅覚 → 大脳辺縁系へ直接作用
- 感情・ストレス反応に影響
- 一部が血中へ移行

● 経皮吸収：肌から全身へ

- マッサージにより皮膚バリアを通過
- 局所炎症や筋緊張を緩和

● 経口：専門家の管理下のみ

- 消化管から吸収され肝臓で代謝
- 一般使用は推奨されない

【図1】香り分子が人体に作用する経路（嗅覚・経皮・経口ルート）

2. 香りは脳の神経伝達物質をどのように変えるのか

嗅覚は唯一、大脳辺縁系に直接届く感覚であり、精油成分は神経伝達物質を変化させます。

3. 自律神経（交感神経・副交感神経）への影響

● 副交感神経：ラベンダー、ネロリ、ベルガモット、スイートオレンジ、ローズ
● 交感神経：レモン、ローズマリー、ペパーミント

4. 精油の抗炎症・抗酸化・免疫調整作用

- 抗炎症：ラベンダー、ベルガモット、ティートゥリー、ユーカリ
- 抗酸化：ローズマリー、オレガノ
- 免疫調整：NK細胞活性化、sIgA上昇

5. 臨床研究で確認されたアロマセラピーの効果

【図2】アロマセラピーの臨床応用（睡眠・ストレス・痛み・循環・免疫など）

6. Medessence精油と科学的エビデンス

・ラベンダー：GABA作用、睡眠改善、抗不安
・ネロリ：自律神経調整、更年期症状改善
・ベルガモットBF：ストレス軽減、気分改善
・ローズマリーシネオール：記憶力・集中力向上
・ティートゥリー：抗菌・抗炎症
・ユーカリ：COX-2抑制、呼吸器サポート

7. 目的別アロマ精油の選び方

● 睡眠：ラベンダー、カモミール、ネロリ
● ストレス：ベルガモットBF、スイートオレンジ、ローズ
● 集中：レモン、ローズマリー
● 頭皮ケア：ティートゥリー、ユーカリ、ローズマリー

まとめ：アロマセラピーは“科学的根拠に基づく自然療法”へ

アロマセラピーは脳・神経・免疫・炎症・睡眠・痛みに働く科学的根拠が示されています。
Medessenceはこれらのエビデンスにもとづいた精油を提供しています。

引用文献

Ling Men, Ling-Ling Liang, Shang-Wei Wu, Yi Sun, Hao Liu, Qiang Mi, Maryam Mazhar, Gang Luo, Qiu-Yu Liu, Meng-Nan Liu. A narrative review of aromatherapy: Mechanisms and clinical value in physiological and psychological regulation. Complementary Therapies in Medicine. 2025; 94:103261.