2025/12/08 14:14
― 132名を対象にした最新RCT(ランダム化比較試験)より ―
更年期は、睡眠の質の低下、イライラ、ほてり、不安感など、心身のバランスが揺らぎやすい時期。
今回紹介する研究は、ベルガモット精油+ラベンダー精油の吸入アロマ療法と、
マインドフルネス(MBT)の効果を検証した大規模臨床試験です。
■ 研究デザイン
対象:132名の閉経後女性(50〜60歳)
軽度〜中程度の不安を持つ女性が対象。
4つのグループに分け8週間比較:
1. 通常ケア+プラセボ(偽アロマ)
2. マインドフルネス+プラセボ
3. ベルガモット×ラベンダー吸入アロマ+通常ケア
4. アロマ+マインドフルネス併用
■ プラセボとは?
プラセボ(偽治療)は、有効成分が入っていないが、本物そっくりに見せた対照物質。
アロマ研究では「香りのないオイル」を本物と同じ方法で使うことで、
心理的期待ではなく“精油そのものの作用”を評価できます。
■ 主な評価項目
・更年期症状(Greene scale)
・不安スコア
・睡眠の質(PSQI)
・血清コルチゾール
・副作用の有無
■ 結果①:アロマ療法で更年期症状が改善
アロマ群は更年期症状の合計スコアが有意に減少。
特に不安(Anxiety)が大きく改善(aMD −1.9, p = 0.013)。
精油の自律神経系への作用が関与すると考えられます。
■ 結果②:睡眠の質(PSQI)が改善
マインドフルネス単独:aMD −2.6(p = 0.002)
アロマ単独:aMD −1.7(p = 0.036)
どちらもプラセボより睡眠の質が向上。
■ 結果③:併用の相乗効果は見られなかった
アロマ+マインドフルネス併用は、単独より効果が増すわけではなかった。
■ 結果④:コルチゾールは変化なし
ストレスホルモンである血清コルチゾールは全群に差なし。

※ p値とは?
p<0.05 = 偶然では説明できない“統計的に有意な差”があるという意味。
■ 副作用
ごく軽度の頭痛・吐き気が報告されたものの重大なものはなし。
■ この研究からわかること
・アロマ吸入は更年期の「不安・睡眠」に有効
・マインドフルネスも睡眠改善に役立つ
・プラセボでは得られない“精油の本物の効果”が確認された
■ まとめ
ベルガモット×ラベンダー吸入アロマとマインドフルネスの両方が、
更年期のセルフケア方法として有効であることが科学的に裏付けられた。
■ 引用文献
Salehi-Pourmehr H, Mojtahedi M, Asnaashari S, Farshbaf-Khalili A, Ostadrahimi A.
“The impact of aromatherapy with Citrus bergamia–Lavandula angustifolia essential oil and/or mindfulness-based therapy on postmenopausal health: A factorial randomized controlled trial.”
Complementary Therapies in Medicine. 2025; 91:103190.

