2025/12/09 10:22
出産は人生の中でも最も大きなイベントであり、多くの女性が「不安」「恐怖」「強い痛み」に直面します。薬を使いづらい出産時に、自然な方法で心と体を整えられるとしてアロマテラピーが注目されています。
その中でも「ネロリ精油」は、不安緩和・鎮静・痛みの軽減に優れた精油として世界的に評価されています。今回は、2022年に発表されたランダム化比較試験(RCT)の結果から、ネロリ精油が本当に出産時の不安と痛みを軽減するのか?科学的根拠にもとづいて解説します。
■ ネロリ精油とは?なぜ妊婦ケアで注目されるのか
ネロリ精油はビターオレンジ(Citrus aurantium)の花から抽出される高級精油。深く落ち着いたフローラルと甘い香りを持ち、リラックス・鎮静作用が高いことで知られています。
主要成分(GC-MS分析):
・リナロール(10.7%):強力な抗不安作用
・アントラニル酸(6.43%):甘い香調
・リモネン(3.91%):ストレス緩和
・α-テルピネオール(3.31%):鎮静
・ゲラニルアセテート(3.21%):精神の安定
■ ネロリ精油は出産時の不安と痛みを軽減するのか?(研究結果)
この研究では、88名の妊婦がネロリ精油群(44名)と通常ケア群(44名)に分けられ、分娩中の痛み(VAS)と不安(VAS-A)が評価されました。
■ 痛みの軽減効果(VAS)
ネロリ群はすべての分娩段階で痛みが有意に低い結果に:
・潜伏期:5.70 vs 7.44
・活動期前半:6.50 vs 8.44
・活動期後半:8.00 vs 9.33

■ 不安の軽減効果(VAS-A・STAI-Y)
ネロリ群の不安スコアは分娩中すべてで有意に低下:
・潜伏期:3.10 vs 5.33
・活動期前半:4.10 vs 6.67
・活動期後半:5.00 vs 7.89

さらに出産前は差がなかったのに、出産後の不安スコア(STAI-Y)はネロリ群で大幅に改善。
■ なぜネロリは効果があるのか?(神経科学的メカニズム)
・リナロール:GABA受容体に作用し不安抑制
・リモネン:ストレスホルモン低下
・テルピネオール類:鎮静作用
これらが相乗して副交感神経優位を促進し、痛みの知覚を緩和します。
■ まとめ:ネロリ精油は妊婦に最適な“自然の鎮静アロマ”
・出産時の痛みと不安を軽減
・薬が使いにくい妊娠期でも使える自然療法
・自律神経を整える科学的根拠が豊富

