2025/12/09 15:05
- 皮膚のカビ(白癬菌)に対する強力な天然アプローチとは? -
レモンの香りといえば「爽やか」「リフレッシュ」といったイメージがありますが、実はその精油には皮膚のカビ(白癬菌)を強力に抑える作用があることが科学的に示されています。
今回紹介するのは、インド・ラジャスタン大学の研究 Jain & Sharma(2017)で、レモン精油の成分分析および皮膚の真菌(白癬菌)に対する抗真菌作用が詳細に調べられたものです。
■ 白癬菌(はくせんきん)とは?──皮膚に住みつく「カビ」の仲間
白癬菌とは、皮膚・髪・爪に感染する真菌(カビ)の総称で、医学的には皮膚糸状菌(Dermatophytes)と呼ばれています。
角質(ケラチン)を餌にして増殖し、湿気・汗・ムレなどの環境で繁殖しやすく、白癬菌は人から人、動物から人へ感染することもあります。
代表的な白癬菌には、T. rubrum(足白癬)、T. mentagrophytes(いんきん/足白癬)、Microsporum属(ペットから感染)などがあります。
■ レモン精油の主成分──リモネン 43%以上
レモン精油は GC-MS 分析により45種類の成分が同定されました。主な成分はリモネン(43.07%)、β-ピネン、γ-テルピネン、α-テルピネオールなどで、抗菌・抗炎症作用で知られるモノテルペン類が豊富です。

■ 白癬菌に対して非常に強い抗真菌作用が確認された(IZ法)
ディスク拡散法により、レモン精油は T. mentagrophytes(14mm)、M. fulvum(14mm)、T. rubrum(12mm)など、皮膚真菌に対して強力な阻害作用が確認されました。
■ MIC(最小発育阻止濃度)も極めて低いレベル
MIC(μg/ml)の結果では、T. tonsurans(0.4μg/ml)が最も強く、T. rubrum や T. mentagrophytes でも 0.8μg/ml と高い抗真菌活性が示されました。
■ レモン精油はどのように菌を抑えるのか?(作用メカニズム)
精油成分が真菌の細胞膜を破壊し、細胞内容物が漏れ出すことで菌が死滅するというメカニズムが考察されています。
■ レモン精油の皮膚ケア効果(伝統使用とも一致)
論文では、皮膚の炎症抑制、フケ対策、頭皮ケア、抗菌作用、免疫サポートなどの伝統使用が挙げられています。
■ まとめ:レモン精油は「白癬菌に強い」天然アロマとして期待大
・ 白癬菌に対する抑制効果が極めて高い
・ 水虫、いんきんたむし、体部白癬にも有効
・ MIC値が低く、少量で菌の増殖を止められる
・ 抗菌・抗炎症成分が豊富で皮膚ケアに有用
・ 香りの良さと抗真菌効果を兼ね備えた珍しい精油
■ 引用文献
Jain, P. & Sharma, M. Evaluation of Citrus lemon Essential Oil for its Chemical and Biological Properties Against Fungi Causing Dermatophytic Infection in Human Beings. Analytical Chemistry Letters, 2017;7(3), 402-409

