2025/12/29 16:49

更年期に入ってから、
「突然、顔や体が熱くなる」
「汗が一気に噴き出す」
「動悸や息苦しさを伴うことがある」
といった症状に悩まされる方は少なくありません。
これが、いわゆるホットフラッシュです。
ホットフラッシュは更年期症状の中でも代表的なものですが、その正体は「体温が上がっている状態」ではありません。
Medessenceでは、ホットフラッシュをホルモン変動によって引き起こされる神経調節の乱れとして捉えています。
ホットフラッシュとはどんな症状か
ホットフラッシュは医学的には血管運動神経症状(バソモーター症状)と呼ばれます。
主な特徴は以下の通りです。
・突然、顔・首・胸部が熱くなる
・強いほてり感
・急激な発汗
・動悸やドキドキ感
・数分でおさまり、その後に寒気や疲労感が出ることもある
重要なのは、周囲の気温や運動量と関係なく起こることが多い点です。
実際に体温が上がっているわけではない
ホットフラッシュは体が熱を持っている状態ではありません。
多くの研究では、ホットフラッシュは体温そのものの上昇ではなく、脳が誤って「暑い」と判断してしまう反応であることが示されています。
つまり、体温調節のスイッチが誤作動を起こしている状態です。
鍵を握るのは視床下部
この誤作動の中心にあるのが、脳の視床下部です。
視床下部は、体温調節、自律神経の切り替え、ホルモン分泌の司令を担う中枢であり、体の恒常性を維持しています。
エストロゲン受容体はこの視床下部に多く存在しており、女性ホルモンの変動に非常に影響を受けやすい部位です。
更年期に何が起きているのか
更年期には、エストロゲンの分泌量が徐々に減少するのではなく、大きく不規則に揺れ動きます。
この急激な変動により、視床下部は体温調節や血管拡張の判断を誤りやすくなります。
その結果、血管が急に拡張し、体が熱を逃がそうとして発汗が起こります。
これがホットフラッシュの正体です。
なぜ突然・理由なく起こるのか
ホットフラッシュが厄介なのは、突然起こり、予測が難しい点です。
これは引き金が外気温や運動ではなく、自律神経の反射的な反応だからです。
わずかな刺激や、明確な理由がなくても神経のスイッチが入ることで発症します。
ストレスで悪化しやすい理由
多くの方が、忙しい日や緊張した場面でホットフラッシュが強くなると感じています。
ストレスは交感神経を刺激します。
更年期ではすでに自律神経が不安定なため、ストレスが加わると視床下部の調節がさらに乱れ、症状が悪化しやすくなります。
これは気の持ちようではなく、生理学的に説明できる反応です。
ホットフラッシュは気のせいではない
ホットフラッシュは精神的な弱さや我慢不足によるものではありません。
論文では、神経内分泌系の明確な生理反応として説明されています。
「自分だけおかしいのではないか」と感じる必要はありません。
Medessenceが考えるホットフラッシュとの向き合い方
Medessenceでは、ホットフラッシュを抑え込むべき症状ではなく、神経調節が不安定になっているサインと捉えています。
大切なのは、体に起きている変化を正しく理解し、神経をこれ以上緊張させないことです。
香りは嗅覚を通じて視床下部や自律神経に直接情報を届ける数少ない感覚刺激であり、更年期においては生活の中で緊張をゆるめる補助的な手段として研究されてきました。
まとめ
ホットフラッシュは体温上昇ではなく、視床下部と自律神経の誤作動によって起こります。
エストロゲンの大きな揺らぎが引き金となり、ストレスによって悪化しやすい特徴があります。
更年期は体が新しいバランスを探している再調整の時期です。
Medessenceは、論文に基づく視点を大切にしながら、この変化の時期に寄り添う情報を提供していきます。
参考文献
1. Freedman RR. Physiology of hot flashes. American Journal of Human Biology. 2001;13(4):453–464.
2. Freedman RR. Hot flashes: behavioral treatments, mechanisms, and relation to sleep. American Journal of Medicine. 2005;118(Suppl 12B):124–130.
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